2022/09/20 11:37


夏に黄色い花が咲き、秋にはホワホワの実が収穫できる和棉。原料は、日本の畑で無農薬で、自ら育てたコットンボールです。

外国産の綿に比べて繊維が短い和棉。機械ではなく手で糸を紡ぎます。

できた糸は、少し太めで柔らかく、とてもやさしい肌触りです。


そうしてできた糸を植物で染め、一枚一枚木製の織機で手織りしました。

織る時も、手の力で柔らかく優しく。間隔をあけて織って向こうが透けるような質感に仕上げています。

収穫した綿を、種を取り、綿打ちをし、糸を紡ぐというシンプルな加工のためか、草木染めで色を染める時に発色がとても良いという特徴があります。柔らかく、糸に空気を多く含んでいるので、植物の色素をしっかりと吸収できるのかもしれません。

素朴で、ナチュラルな雰囲気。趣のある仕上がりになりました。

大人のナチュラルコーデにシックになじむマフラーです。








身の回りにはコットンで作られたものがたくさんあります。コットン100%という表示、よく目にします。服や、布団、シーツなどの寝具、コースターからラグマットまで大きさ様々な敷物類、などなど。そのほとんどが外国産の綿で作られています。というのも、日本は綿の自給率がほぼ0%と言われているので、日本産の綿を使った製品はほとんど流通していないと思われるからです。

今は、インターネットで探したら見つかるかもしれないのですが、30年くらい前は、日本産の綿を使った糸はなかなか手に入りませんでした。日本の綿で織物がしたい、と思った母は、綿について学びつつ人とつながりながら和棉の畑を作り、道具を揃えて糸を作るところまで加工できるようになりました。今は、畑はしていませんが、これまでに収穫した綿を大切に使ってマフラーや服などを作っています。そして、糸を紡いだり、古い道具を使った綿仕事について、求めに応じてワークショップを開いています。

昔の道具を使った糸紡ぎは、ほわほわの綿から糸になるところを目の前で見ることができるので、子どもだけでなく初めて見るという大人の方にも好評です。物語やファンタジーのように感じてくれる方も。

私も、母の手伝いをしながらいつの間にか説明する側になっていました。日本の綿の自給率を上げる!なんていう壮大なことはできませんが、木綿を工業製品としてではなく、植物からいただく自然の恵みとして暮らしの中で楽しむことは、ささやかながら続けていきたいと思っています。そして、ちょっと手間がかかるけど、豊かな気持ちも感じることができる綿仕事を、少しずつでも伝えていきたいと思っています。


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