2021/02/12 18:30
採取採取
採取した植物を煮出して、その色の出た煮汁で糸を染める方法を草木染めといいます。昔はこちらが当たり前だった方法ですが、今は化学染料があるので、それと区別して草木染めと呼ぶようになったようです。
植物の種類によって持っている色が違うので、桜には桜の色が、梅には梅の色があります。不思議なことに、同じ植物でも生えている場所によって、また季節によって出る色が違いますし、媒染の種類によっても発色が変わってきます。(媒染とは、糸を染めるときに色を定着させたり、発色をよくしたり、また、化学反応で色を変化させたりするために用いるもので、ミョウバンや木灰、鉄、アルミ、銅などが使われます。)
草木染め用の植物は、染料屋さんでも買えますが、母はよく散歩で出かけた道すがらなどで、選定作業などしている方に臆せず声をかけて、枝をいただいたりしていました。今は引っ越してその土地を離れてしまっているので、同じ色が欲しいと思ってもなかなか叶わなくなってしまいました。今は今で、手に入るもので草木染めを楽しんでいます。
身近なもので言えば、紅茶の葉や玉ねぎの皮はよく使います。紅茶は品の良いベージュに、玉ねぎの皮は鮮やかな黄色に染まります。そういう色が出ると思うと、他の人から見るとゴミのようなものでも宝物に見えてきてしまいます。ご縁があって、木の枝など何か染まる材料が手に入るとわくわくします。
同じものを大量に作ることはしていなくて、その時に手に入った色で楽しみながら作ったマフラーたちは、色もデザインもほぼ同じものはありません。今年も残りは今出品しているものだけになりました。植物からいただいた自然の色をお楽しみいただけたらと思います。